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国土交通省のインフラ長寿命化に関する取組状況を取りまとめ(2025年度版)

  • 配信企業: 国土交通省
  • 配信日時:

国土交通省は2026年(令和8年)2月26日、管理・所管するインフラの戦略的な維持管理・更新に向けた「第2次国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」に基づく、令和7年度の取組状況(フォローアップ結果)を公表しました。

今回の報告は、現行計画の最終年度に向けた重要な進捗確認となっており、インフラメンテナンスが「事後保全」から「予防保全」へと大きく舵を切っている現状が明らかになっています。

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インフラの維持管理の現状と課題

我が国のインフラは高度経済成長期以降に集中的に整備され、建設後50年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高まります。資料では以下の課題が指摘されています。

  • 維持管理・更新コストの増大: 老朽化に伴い、将来的に莫大な費用が必要となり、財政を圧迫するリスク。
  • 労働力不足と技術継承: メンテナンス現場における人手不足と、熟練技術者の減少への対応。
  • 激甚化する自然災害: 頻発する災害に対応するため、平時からの点検・修繕による「事前防災」の強化。

02
インフラ長寿命化基本計画とは

2013年(平成25年)11月に政府が策定した本計画は、インフラ老朽化対策を政府全体で推進するための「戦略的な維持管理・更新等の方向性を示す最上位の計画」です。

  • 目的: 国民の安全・安心の確保と、トータルコストの縮減・平準化。
  • 基本方針: 致命的な損傷が生じる前に対策を講じる「予防保全」への転換を推進しています。
  • 体系: 本計画に基づき、各省庁・自治体が「行動計画」を策定し、さらに施設ごとの「個別施設計画」へと具体化する三層構造となっています。

03
取組状況のポイント:令和7年度フォローアップ結果

最新の調査結果から、計画の最終年度に向けた具体的な進捗が数値で示されました。

1. 点検・健全度判定の実施状況

道路(橋梁・トンネル)、下水道、河川などの主要分野において、定期点検サイクルに基づいた実施が「概ね完了」しています。一部の施設については、引き続き早期完了に向けた督促が進められています。

2. 数値指標(KPI)の達成状況

特定の重点項目において、目標値を達成した実績が報告されています。

新技術の活用(ALB)
直轄109水系のすべてにおいて体制構築(達成率100%)。

コスト縮減方針の策定
水門・陸閘等の個別施設計画において管理者の100%が策定済み。

自治体の計画策定
橋梁・トンネルの策定率は約100%に近い水準に到達。

3. 施設の集約・再編(新規調査項目)

将来の人口減少を見据えたインフラストック適正化のため、今年度より新たに「施設の集約・再編等の取組状況」が調査対象に加わりました。単なる維持継続ではなく、施設の統合や撤去を含めた戦略的なマネジメントが始まっています。

メンテナンス担当者にとって参考になるところ

国の動向から読み取れる、今後の実務における重要ポイントです。


  • 「計画」から「実行・高度化」へのシフト: 自治体を含めた個別施設計画の策定がほぼ完了したことで、焦点は「計画作り」から「新技術を用いた効率的な修繕の実装」へと移っています。

  • DX技術活用の必須化: 河川のALB活用100%達成が示す通り、国主導のメンテナンスではデジタル技術活用が標準要件となりつつあります。

  • アセットの最適化判断: 「集約・再編」が調査項目となったことは、管理者に「いかに残すか」だけでなく、地域の需要に応じた「いかに賢く減らすか」の経営的視点が求められることを示唆しています。

  • データ蓄積の重要性: 点検・修繕の数値をデジタルで蓄積することが、予算確保や優先順位付けの客観的な根拠としてより強く機能するようになります。

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